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「背水の逆転劇」を知っているか。ウメハラが格ゲー史に残した伝説の10秒間!

背水の逆転劇

レッツゴージャスティーン!

今日も超ゲームウォーカーをご覧下さってありがとうございます。管理人のコウノ アスヤ(です。

格ゲーは、今や世界大会が開かれる程に世界中でブームを巻き起こしています。ストリートファイターはその中でも、もっとも人気のある格闘ゲームのうちの一つ。
そして、プロゲーマー「梅原大吾」の名もまた、同じように今や世界中で知られています。

今日は、そんなプロゲーマー梅原が、ストリートファイターの世界大会で、その名を世界中に轟かせた、あまりにも有名な伝説の10秒間をご紹介します。

「背水の逆転劇」とは

2004年に開催された格闘ゲームの大会「Evolution(通称:EVO)」の「ストリートファイターIII 3rd STRIKE」部門にて、プロゲーマー梅原(当時23歳)が、アメリカのジャスティン・ウォンに、劇的なテクニックで逆転勝利した事件の事。

絶望的状況

それは、第1試合第3ラウンド。
梅原が操るケンと、アメリカのジャスティンが操る春麗は白熱の接戦を繰り広げていました。

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しかし、梅原のケンは体力ゲージが残り1ドットという状況に陥り、弱攻撃一発はおろか、「必殺技をガードした時点で※削りダメージで死ぬ」と言う状況になってしまいました。

※削り(必殺技をガードさせて体力を少しず減らしていく戦法)

決めにかかるジャスティン

ジャスティンの春麗は、梅原のケンに「削り」で止めを刺そうと、必殺技「鳳翼扇(連続で蹴りを繰り出すスーパーアーツ)」を繰り出しました。
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この時、観客が叫んだのが後に語り継がれる名叫び声「レッツゴージャスティーン!」
全観客がジャスティンの勝利を確信したその時、奇跡が…!

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全キックをブロッキングし、逆転勝利

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梅原のケンが、春麗の「鳳翼扇」を次々と連続ブロッキングで捌いたのです!!あ、ありえねー!
そして、春麗の最後のキックをジャンプから空中ブロッキングしたのち、すかさず反撃の「飛び蹴り」→「足払い」→「昇竜拳」、そしてスーパーアーツ「疾風迅雷脚」を叩き込んで逆転KOに成功してしまったのである。
アンビリーバボー。

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そして、それを目の当たりにした観客は、大盛り上がり!
梅原は、世界大会の敗者側決勝(実質的な準決勝)で多数のギャラリーの注目が集まる中という大きなプレッシャーがかかる状況で、一度の失敗も許されないこの難局を打開しました。
日本人の若者が世界の舞台で起こした奇跡の逆転劇に、人々は興奮しその名を胸に刻み込んだのです。

ちなみに、ブロッキングとは
「相手の攻撃が当たる直前に、前方もしくは真下にレバーを入れることで攻撃を受け止めるシステム」
成功すると削りによるダメージが無くなり、相手に一定の硬直時間を与え、通常のガードよりも早く動けるが、もし読み合いやブロッキングの入力を間違えれば、ダメージをもろに受けるという至難のテクニック

春麗の「鳳翼扇」の発動エフェクトを見てからブロッキングを入力する時の、猶予時間は、なんと1フレーム(=60分の1秒)。
キックが連続で繰り出される春麗の「鳳翼扇」をすべてブロッキングする行為はこのゲーム中、屈指の難易度を誇ると言われています。

ジャパニーズ・プロ・ゲーマー梅原大吾!!

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あまりにこの逆転が有名になりすぎて、2011年夏に発売された3rd strikeOnline Editionのブロッキングのトライアルモードにおいて「あの瞬間をもう一度」というタイトルでこの場面の再現が最後の課題として取り上げられていたりします。

あれから10年

「背水の逆転劇」から10週年を記念したイベントが、2014年­11月22日にアメリカで開催されました。
「ウメハラ vs. Justin Wong」のエキシビジョンマッチでは、10年前と同じくウメハラ選手がケン、ジャスティンが春麗を使い、同じステージで行われました。
そして…

ウメハラの関連書籍も面白いです

世界でも屈指のプロゲーマーである梅原は、その生き方や仕事っぷりも、とても注目されています。
最後に、梅原関連書籍を少しだけご紹介。

勝ち続ける意志力

幼少期の梅原はどんな子供だったのか、なぜゲームに傾倒するようになったのか。そして、一度はゲームから離れた梅原が、なぜふただび格闘ゲームの世界に戻ってきて、そして世界1に返り咲いたのか。
この本は、梅原のパーソナリティに踏み込むと同時に、超人的なポテンシャルを引き出す梅原の生き方や考え方が書かれています。
ゲーマーとして、一人のファンとして普通にすげーなーと思える生き方だったし、心構えというか意志力みたいなものは見習いたいなと思いました。
そこまで重くなく、サクっと読めるので”梅原ファンなら”オススメです。

ウメハラ To live is to game

内容的には「勝ち続ける意志力」に近いものがあり、よりカジュアルにエンタメ寄りに書かれた漫画版「勝ち続ける意志力」みたいな感じです。
特に大きな山場も無く終わってしまうのが、1本のマンガとしてちょっと物足りないかも。

ウメハラ FIGHTING GAMERS!

似ていますが、上記の漫画とは別物。こちらは各ゲーマー「ヌキ」の視点から描かれたもので、こちらのほうが漫画としては面白いです。2巻まで出てます。

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この記事を書いた人

asuyakono

コウノ アスヤ

1992年生まれ、岡山県出身。武蔵野美術大学デザイン情報学科を卒業した後、都内でデザイナーとして活動中。小さい頃からゲーム好きで、四六時中ゲームのことを考えている。

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