主人公がゲーマーだと、それだけで親近感が湧いておもしろいと思ってしまうコウノ アスヤ(です。

女の子が主人公。主人公がゲーマー。ゲーマーが才能を活かす。ノスタルジックな絵が綺麗。話が面白い。あぁ。ただ羅列しただけなのに、よだれが止まらないくらい完璧な要素を満たしたマンガ、それが「百万畳ラビリンス

ゲーマーヲタク女子の才能、爆発!

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「迷い込んだのは木造迷路…?」

ゲーム会社でバグ探しのバイトをしていた礼香&盾子は、ある日突然木造迷路に迷い込んでしまう。なんとか脱出を試みる二人だったが、危険と謎は増していくばかり。そんなとき、バグ探しの天才である礼香は、次第に迷路がもつ不思議な構造と”ゲーム性”を楽しみ始めるのだった。

まず、物語うんぬん以前に、イラストレーターである「たかみち」によるマンガだというところがデカイです。萌えに媚びすぎて無いくせに、表情や仕草、シチュエーションの機微を的確に、それでいで美しく描くこの人の絵は、もはや芸術の域に達しているといっても過言ではありません。

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物語の舞台となる謎の木造迷宮は、その外観や内部構造、インテリアが非常にノスタルジックにデザインされてます。そのおかげで、1ページ1ページ、1コマ1コマ読み進めるたびに、イラスト集かと見紛うレベルの”絵的な良さ”がある。それでいてコマ割りや構図はしっかりしている。こんなハイブリットなマンガあるかい!

加えて、ただの迷路脱出ものだと思ったら大間違いです。

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重度のゲーマーかつバグ探しの天才である礼香は、リアルでの生活にもその徴候が現れています。物事を固定観念で見ようせず、興味津々に好き勝手動きまわる彼女の振る舞いは、次第に周りの人間を遠ざけていってしまう。一方、ブス系ゲーマー(?)である盾子は、そんな礼香に対してはあくまで冷静に、それでいて温かい関係性を築いています。しかし、彼女の持つ「異常さ」に、時にはついていけないことも。

このマンガは、そんな2人がおりなす「人間関係」そして「ゲーマーの性(さが)」をも描き切っているところが他のマンガと違うところです。

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異空間に迷い込んだのに、不安がるどころかむしろその才能を爆発させて現状を楽しもうとする礼香は、とても魅力的に見えます。というか可愛いです。最高です。理想です。しかし、そんな彼女のような存在でも、コンプレックスを抱えていたりするのです。

ゲーマーならわかりすぎるほどにわかってしまうその「感覚」、そして礼香がそれに立ち向かっていく姿には、シンパシーを感じずにはいられません。「たかみち」ならではの感情の機微にただただ脱帽です。

俺、ゲームが好きでよかったよ。

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「バールのようなもの」「イーグルダイブ」のようなゲーム小ネタも忘れず挟んでくるあたり、抜け目ないマンガです。全2巻でサクっと読めるので、ゲーマーはマジで必読です。ゲーマーじじゃなくても今すぐ読むべき!