超ゲームウォーカー!

search

【ゼルダはゲームだけじゃない】任天堂公認のゼルダ漫画家「姫川明」って知ってる?

漫画版ゼルダの伝説

ごまだれ〜

こんにちは!ついに発売されたムジュラの仮面3Dを、狂ったように遊んでいるコウノ アスヤ(です。
ムジュラの仮面は、シリーズのどの他作品よりも世界が生きてる感じがしていて、とても好きです。

ところで、ゼルダシリーズには任天堂公認のマンガが多数存在している事はご存知でしょうか。
今日はその中でも、特にファンからの人気が高い「姫川明」さんをご紹介しようと思います。

姫川明はユニット名


出典:日本経済新聞

姫川明さんは1983年に少年ビッグコミックでデビューした漫画家・イラストレーター。「さん」とつけていますが、実は「姫川明」というのは、個人名では無くユニット名だというのは有名な話ですね。

漫画版ゼルダの伝説の作者として有名ですが、その他にも「鉄腕アトム」「ブレイブ・ストーリー」「マイリトルポニー」などのコミカライズを書かれていたり、オリジナル作品でいうと「竜は黄昏の夢を見る」「タウルシティの住人」などがあります。コミカライズもオリジナル作品も比較的巻数が少なく、まとまった作品を書いている事が多いので、さくっと読めて嬉しい。
短い漫画、スキ。

全作品を紹介!

25周年記念画像
ゼルダの伝説と共に生きていた僕が、姫川ゼルダの全作品を、簡単な感想と共にご紹介します。

時のオカリナ(上・下)

NINTENDO64の大人気ゲームがまんがになった。任天堂ゼルダチーム代表・宮本茂氏も大絶賛。リンクと一緒に冒険の旅に出よう!!

記念すべき姫川ゼルダ第1弾である漫画版時のオカリナ。
そして、僕が始めて読んだ漫画版ゼルダ
シリーズファンだった僕は、リンクが喋っているだけでなんだか感動した覚えがあります。
ゲームを遊んでいた自分のように、リンクが悩み・怒り・喜ぶ。
それだけで、ゼルダの伝説ファンなら読む価値アリです。

城下町やカカリコ村など、ゲーム以上にそれぞれのキャラクターや世界観を掘り下げてくれていて、ゲームを遊んでいる時には気づかなかった世界観の魅力を知ることが出来ます。

ちなみに、シークがガノンドロフに仕えていたり、ヴァルバジアとリンクが友達だったりと、結構ゲームとは違う設定になっていたりするところも面白いです。
ヴァルバジアの話は切なかったな〜

ムジュラの仮面

NINTENDO64ゲームソフト『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』の完全まんが化。リンクが仮面の謎を解き明かす!! ゼルダファン必読の一冊!!

3D版が発売されたことが記憶に新しいムジュラの伝説。
漫画版では、スタルキッドと巨人たちの関係や、アンジュ・カーフェイのお話などが掘り下げられています。
漫画版時のオカリナと同じく、絵柄や構成からはゲーム版への愛が感じられるし、「お話」という観点から言うと膨大なムジュラの仮面の設定を、なんとか1巻という短い中に収めた感じがとても素晴らしい。

個人的には、ムジュラの仮面の誕生秘話が好きです。
ゲーム中では、序盤のお麺屋からちょろっと聞かされるだけですから…。

不思議の木の実(大地の章・時空の章)

GBC(ゲームボーイ)用ソフト『ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 大地の章』を完全コミック化。ゴルゴンとツインローバの野望をうち砕け、リンク!!

ゲームボーイーカラーで発売されたふしぎの木の実シリーズのコミカライズ。
全2作と違って、ゲームボーイ版は基本的にキャラクターのリアル等身絵は説明書だけだったので、幼い僕はフロルが可愛い!とか言いながら読み込んでました。
ゲームでは割りと面倒臭かった連携によって出現する、ゴルゴンとツインローバ、そして真のラスボスの話もちゃんと描かれているので、そこもすばらしい。
ゲームがそうであるように、大地の章と時空の章はお話が繋がっているので、そこからもやはりゲーム愛が感じられる…!

4つの剣+(上下)

風の魔人・グフーを倒すため、リンクは伝説の剣フォーリードでなんと4人に!? みんなで力を合わせて、ハイラルに平和を取りもどせ!!

ゲーム版では、4人に別れたリンクはそれぞれがプレイヤーの分身でしたが、漫画版では、冷静な紫(ヴィオ)、短気な青(ブルー)、陽気な赤(レッド)、勇敢な緑(グリーン)と、なんと4人ともに個別の人格が与えられています。
ことある毎にそれぞれのリンクが言い合いを始めるので、見ていて楽しい。

冷静な紫(ヴィオ)は、2013年に発売された「神々のトライフォース2」に登場するラヴィオの元ネタかな?という気もしますね。色も紫だし。
紫(ヴィオレット)と、うさぎ男=ラヴィオのダブルミーニングなのかもしれません。

神々のトライフォース

時のオカリナから発売順に漫画家されていた姫川ゼルダですが、ここにきて名作「神々のトライフォース」が漫画家されます。しかも、なんと1冊!笑
ムジュラの伝説の時も思いましたが、姫川ゼルダは短い!(いい意味でも、悪い意味でも)
しかし、そこは天下の姫川明!オリジナルキャラクターを登場させたり、いつものようにゲームの世界観を掘り下げて描いているにもかかわらず、破綻無く上手く面白く1冊にまとめている…恐るべし。

なにより、ゼルダ姫のパーソナルをちゃんと描いてくれているのが嬉しいです。
ゲームでは、結構リンク任せなところがありましたから…

ふしぎのぼうし

姫川ゼルダシリーズ最新作「ふしぎのぼうし」。リンクとエゼロがピッコルの世界で大冒険。ゼルダ姫にかかった呪いをとくために、小さくなって大活躍だ!

カートゥーン表現でデザインされた、通称「猫目リンク」で描かれているのがこの作品。
エゼロやゼルダ姫とのやりとりは面白いし、ピッコル達の設定もやはり掘り下げられているのが魅力。
しかし、多分、1番原作から話が変わっているのもこの作品の特徴。
ゲーム中では最後にグフーを倒してお話が終わるのですが、漫画版では…?

ちなみに、おまけで、エゼロとグフーの修業のお話が描かれています。
こういう、ゲームの設定を拡張したお話、やっぱり好きだなぁ。

夢幻の砂時計

海賊のお頭の女の子テトラは冒険の途中、幽霊船に連れ去られてしまう。リンクはテトラを助けようとするが、海の中に落ちてしまい離ればなれに…。流れついた島で出会った、妖精シエラと船長ラインバックとともに、リンクは幽霊船を探す冒険に旅立つ―…!

漫画版猫目リンクの第2弾。
前作と同じく、結構ゲームからお話を変えてきています。
ラインバックの過去話があったり、シエラの記憶に関する設定が変わっていたり、ベラムーのパーソナルも強化されてます。
姫川ゼルダはこういう「ゲームでは焦点が当たっていなかったキャラクターに、動機を付けてあげる」のが上手ですよね。
ゲーム版と違って、テトラが物語に関わってきて一緒に戦うのが良かった。
猫目リンクは、やっぱり漫画版と相性がいいですね〜

スカイウォードソード(ハイラル・ヒストリア)

ハイラルの歴史がいま明かされる!「ゼルダの伝説」25周年集大成の書。

ハイラル・ヒストリアは漫画では無く、ゼルダの伝説の公式設定資料集ですが、実は巻末に「スカイウォードソード」の漫画が収録されています。
ハイラル・ヒストリア
といっても、スカイウォードソード自体のお話では無く、なんと本編以前、まだ人間が大地に居た時の「女神ハイリアと初代リンク、そして女神の剣」のお話となっています。
ゲーム中では一切語られなかった「赤いロフトバード」の特別な設定もちゃんと生かされていて、とても読み応えがあります。

ただ、ムジュラの仮面の誕生秘話と同じく、この話は姫川明の完全なオリジナルのお話になるので、ファンの間でもこれを公式設定とするかどうかはゴニョゴニョしています。
しかし、作中にでてくる「長いマフラー」は、「ゼルダ無双」のリンクに引き継がれているし、やはり任天堂公認というパワーはありますよね。

石ノ森章太郎も描いていた!

ちなみに、仮面ライダーで有名な石ノ森章太郎さんも、ゼルダの伝説の漫画を描いているんです。
内容は、明言されていませんが、登場する世界やキャラをみると、神々のトライフォースであることは間違いありません。
姫川ゼルダと違って、ギャクの店舗やストーリーの描き方が、いかにもそれっぽくて、やっぱり作者によって変わるんだなぁと感心したり。

シリーズにおける漫画版の立ち位置は…?

リンクとゼルダ
ここまで紹介してきた通り、姫川さんの描く漫画版ゼルダの伝説は、基本的にはゲームの物語に沿った展開になってます。
そして、ゲームではあっさり終わっていたキャラクターや設定を掘り下げて描いたり、姫川さん自身が1ファンとして、説明不足な設定に独自の解釈を与えていたりするところが特徴です。

とはいえ、時のオカリナで「子供時代にヴァルバジアと友達になってる」追加設定や、夢幻の砂時計での「ラインバックの過去話」などは設定の追加と言えますが、ムジュラの仮面誕生秘話やスカイウォードソードの前日譚となってくるともはや設定の追加というより、オリジナルストーリーです。

ファンによっては、この独自の解釈やストーリーがあまり好きでは無い(認め難い)人もいたりもしますが、任天堂公式だという事もあって、コアなファンの間では「姫川ゼルダではこうだった」と、世界観の考察の材料になることもあります。

ちなみに僕は、姫川明さんのゼルダ漫画は大好きだし、考察にもどんどん参考にさせて頂いてますけれど!

ゼルダの膨大なストーリーをもっと楽しめる最高の漫画たち

ゼルダの伝説というシリーズは、「ゼルダ一族の血縁」「ガノンドロフの執念」そして「勇者の魂」が、時や場所、はたまた世界をまたいで複雑に絡みあう壮大なストーリーです。
ファンの間では、その世界観や時系列を「あーだこーだ」言うのはもはや通例となっており、姫川明さんも、おそらくそのうちの1人。
任天堂公認というプレッシャーを押しのけ、納得の行く素晴らしい解釈とストーリーをゼルダの世界観に与えてくれています。
皆さんもこの機会に、是非読んでみてください!


この記事をSNSにシェア

feedly Feedlyで購読

この記事を書いた人

asuyakono

コウノ アスヤ

1992年生まれ、岡山県出身。武蔵野美術大学デザイン情報学科を卒業した後、都内でデザイナーとして活動中。小さい頃からゲーム好きで、四六時中ゲームのことを考えている。

アクセスランキング