なかなか面白いゲームだと存じます。

こんにちは。コウノ アスヤ(です。

逆転裁判シリーズの最新作、大逆転裁判をクリアしました。シリーズは1、2、3をクリア済み、4は評判が悪かったから遊ばず、5は面白くなくなって途中でやめました。そんな感じのライトな逆裁ファンですが、久しぶりに逆転裁判が遊びたくなったのでプレイ。

それではレビューの方いってみましょう。

おかえり、タクシュー!

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2001年に発売され、大ヒットゲームとなった初代「逆転裁判
その企画、シナリオ、ディレクター、そして主人公である成歩堂龍一の声までを担当していたのが、巧舟(たくみしゅう、タクシュー)という人物。彼の独特なテキスト表現と、ゲームとしての確固たる面白さはゲーム自体のファンと同時にタクシュー自身のファンを育てていきました。「異議あり!」というフレーズ(声)は、彼が生み出したゲーム資産だと思います。

しかし、シリーズ4作目である「逆転裁判4」において、彼は、原作・総監督という、一歩引いた立場にいました。それが原因なのかは分かりませんが、出来・売上ともに振るわず、「やっぱ逆裁シリーズはタクシューだろ…」という雰囲気が流れ始めます。その論調を確固たるものにしたのが、4のあとタクシューがディレクターを務めた「ゴーストトリック」そして「レイトンvs逆転裁判」この2作品はどちらも評判が良く「やっぱタクシューだろ」論は歯止めが効かなくなります。

そして、一度はシリーズから身を引いたタクシューが再び「ディレクター」を務めたのが本作「大逆転裁判」。逆転裁判シリーズ新プロジェクトとして発表当時から「タクシューだ!タクシューだ!」と話題になり、登場キャラや設定をリセットした所謂「リブート」「仕切り直し」作品として発売されました。

僕も、これが理由でもう一度逆転裁判を遊ぼうと思ったのです。原点に立ち返った作品。なので、シリーズ初心者でも十分に遊べるものにもなっているハズです。

あらすじ

舞台は19世紀末の日本と倫敦(ロンドン)。
帝都有盟大学の学生である成歩堂 龍ノ介(なるほどう りゅうのすけ)は、
ある事件をキッカケに弁護士を目指す法務助士である御琴羽 寿沙都(みことば すさと)とともに、最新の司法制度を学ぶため、日本から大英帝国の首都であるロンドンへ旅立つ!
そこで、世紀の名探偵シャーロック・ホームズとその相棒アイリス・ワトソンと奇跡の邂逅を果たすのだった。

本作の舞台はロンドンになりました。レイトンvs逆転裁判の時のような、中世ヨーロッパ風のビジュアルが、シリーズには新鮮でいい感じです。背景グラフィックもとても美しい。そして、グリグリ動くクセに、まるで2Dのイラストかと見紛うような3Dポリゴンにビビりました。逆転裁判5の正当進化って感じで、この表現は唯一無二な気がします。
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音楽もフルオーケストラながら、ちゃんと主旋律が分かりやすい、いわゆる「GBAっぽい」「逆裁っぽい」曲に仕上がってて好印象。耳に残ります。と、見てくれの部分は最高にいい仕上がり。発売前の評判も良くなるわけです。
(実際、上記の良さは遊んでいても感じる良い部分です)

最小限に留められた新要素

逆転裁判4の新要素である「科学捜査」、そして5の「ココロスコープ」は「むりやり加えた」感じがして面白くなかったように、このシリーズは新システムがことごとくスベる事で有名ですが、今回はそんな事はありませんでした。

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レイトン教授vs逆転裁判でも採用されていた「複数の証人」に「問い詰める」システム、そして6人の「陪審員」に対する「最終弁論」などは、既存のシステムをベースにちょい足しする程度のさり気なさが逆にテンポを損なってなくて、「いいじゃん!」って感じ。遊んでて楽しかったです。

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加えて、シャーロック・ホームズとの推理合戦も、3Dポリゴンであることを上手く使った謎解きになってて、素直に楽しかったですね。音楽や効果音もなかなかアガる気持ちいい。特に、あのガラスが割れる音と低音がドーン!とくる効果音、堪りません。

そんな風に、多すぎず少なすぎずな新要素は、逆転裁判本来の面白さを邪魔をせず、むしろいいアクセントになっていて、大成功だと思います。

遊びやすさ≒簡単

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本作は、至る所で「遊びやすさ」が意識されているなぁ、って思いました。推理パートで「どこを調べたかが残る」ようになっていたり、パートナーが丁度いいヒントを与えてくれたりして、理不尽な謎解きも一切なく、「ちょっと悩めば分かる謎」が大多数を占めていた印象です。過去作では、推理パートで正直ちょっとダレてしまいがちだったし、裁判パートでも「とりあえず全ての証言をゆさぶる」のが作業になっていたりしましたから、その辺りを改善したんだと思います。プレイヤーへの「おもてなし」とクリアへの「お膳立て」のバランスが結構良くて、快適にサクサク遊ぶことが出来ました。

ただしその半面、全体的に「簡単過ぎる」という1面もあると思います。過去作にあった歯ごたえは、明らかになくなっています。特に探偵パートに関しては、「えっ、もう終わり?」というぐらいの短さ・簡単さでした。その部分はちょっと僕でも不満が残ります。シリーズファンにとっても、その辺りには不満が出るでしょう。

シナリオ

逆転裁判の魅力は「シナリオ」にこそある、といっても過言ではないでしょう。過去作(特にタクシュー逆裁)では、単発に見える各章がだんだんと繋がっていき、最後に全て繋がってカタルシスが解放される良さがありました。自分の手で無罪判決を勝ち取り続けるゲームなので、その結末の感動もひとしお。エンディングの多幸感こそが、このゲームの魅力でもあります。がしかし!本作のシナリオは、ハッキリ行って残念極まりない!「まった!」「ちょっと!」「異議あり!」です。無罪判決を勝ち取っても、それが「事故」だったり「犯人が全然悔しがってなかったり」して、いまいち盛り上がらない。(面白くは、あるんですが)それに、各章で散りばめられた謎が、すべて繋がる前にゲームが終わってしまう。所謂「俺たちの戦いはこれからだ!エンド」にすら劣る、最高に中途半端な終わり方をカマします。タクシュー…どうしたん…神話は…終わったん…?

ちなみに、5で顕著だった「被告人を弁護するモチベーションがわかない」問題に関しては上手く折り合いが付けてあったように思います。各章、ちゃんと何かしらの理由でプレイヤーに「こいつ、弁護したらなアカン」と思わせるようなシナリオになっていて、そこは「お、良いな」と思いました。

キャラクターはマジでヤバイ(良い意味で)

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キャラクターはすごい魅力的です。主人公の成歩堂龍之介、ヒロインの御琴羽寿沙都、そしてシャーロック・ホームズなどのメインキャラ級は言わずもがな。それどころか、各章毎に登場する被告人や証人、サブキャラ達が、皆様々にキャラが立っていて、見た目・仕草・口調すべてがしっかりデザインされていて圧巻。これがキャラクターデザインってやつか…!と震えました。

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これは、シリーズ共通の魅力でもありますね。覚えやすいというか、印象に残りやすいというか。スサトさんの本めくりモーションとか最高ですよね。というかスサトさん最高。スサトさぁ~ん!!

遊ぶ価値はある、が、シリーズファンは物足りないかも

シナリオがヤバイ、という感想も理解できますが、僕はそこまで致命的なものだとは思いませんでした。探偵パート・法廷パート、どちらも新要素のおかげでマンネリは解消されているし、各章の長さや快適さ含めて、僕は普通に楽しめました。が、シリーズの大ファンそしてタクシューのファンでもある友人は、やはり「シナリオ」のウェイトが大きく、遊んだあとに釈然としない感想を語っていました。なので、人によって評価が分かれるゲームになっているのかな、と思います。ま、僕は楽しめましたけどね!