コウノ アスヤ(です。

日本のアニメやゲームに影響をうけた××」のような触れ込みを聞くと、脊椎反射で「良いね!」と言ってしまう性格です。もちろん、ちゃんと遊んだ上で、改めて「良いね!」と思えるゲームはそこまで多くないのだけど、そんなゲーム群に新たに最高のゲームが仲間入りしました。

その名も「Hyper Light Drifter

2013年にKickstarterに登場してからというもの、その美しいアートワークとレトロフィーチャーなゲームデザインに多くのファンの期待を膨らませ、そして満を持して2016年3月に正式リリースとなった本作。贔屓目にいっても、かなり良いゲームでした。

Hyper Light Drifter


Hyper Light Drifterは、Heart Machineという8人組が制作したインディーゲーム。2013年にKickstarterに登場してから2年半の歳月を経て、今年にようやくリリースされました。

とても綺麗な世界。しかし日本人ならどことなくデジャヴを感じてしまうのでは。どこを撮っても絵になる、美しい世界。

ゲームとしてはとてもシンプルで、とくに新しい技術や画期的なゲームシステムを取り入れているような感じではありません。昨今流行りのレトロフィーチャー系と言えばそれまでですが、このゲームはそれにとどまらない、全体を通して感じられる雰囲気に強く魅かれました。

崩壊した世界、失われた古代文明

文字によるストーリーテリングが一切行われない本作では、プレイヤーが自分の目で見た光景からこの世界の構造を推測していくことになります。今作はとにかく、この目で見えるグラフィックが本当に綺麗で最高!

古代文明の名残っぽい、なにか。このゲームにはこういった物言わぬ朽ちた存在が多数登場する。古代文明の名残っぽい、なにか。このゲームにはこういった物言わぬ朽ちた存在が多数登場する。

イントロのデモシーンから推測するに、おそらく主人公はなんらかの病を患っていることがわかります。しかし、その原因も、世界が崩壊している理由も、崩壊させるにいたった壮絶な事件も、なにもかもが抽象的。明確に語られることは最後までありませんでした。おそらく、プレイヤーごとに感じるストーリーは違うものになるだろうし、そういう余白を持たせることが難しいのは知っているので(あまりに語らなすぎると、興味が失せる)、このバランスがとても良かったです。

なんかエヴァっぽい。セカンドインパクトっぽいなにか。なんかエヴァっぽい。セカンドインパクトっぽいなにか。

ジブリやエヴァを彷彿とさせるようなモチーフが随所にあるので、アニメやゲームといったサブカルチャーに明るい人なら嫌が応にもノスタルジーを刺激されるはず。これ、まんまだろ!みたいなレベルのものもたくさんあって、それらの元ネタを考えながら遊ぶのもまた楽しい。

なんかこれはラピュタっぽいし。なんかこれはラピュタっぽいし。

もし元ネタを知らなくても、それはそれで普通に美しい世界観を持っているとおもうのでしっかり楽しめると思います。すっごい綺麗だし。

マップは拠点となる中央地点から東西南北に広がっており、これが結構広い。景色もしっかりとバリエーションに富んでいて、インディーゲームながらそのボリュームは十分だと感じました。各地方にダンジョン的なものが存在していて、その中で簡単な謎解きも用意されています。

とても広く、景色もバリエーション豊かで飽きない。とても広く、景色もバリエーション豊かで飽きない。

ゼルダ風のシンプルなゲームシステム

ピクセル風のアートワークに合わせるような形で、ゲームシステムもとてもシンプルなものになっています。

操作やシステムはとてもシンプル。迷うことはないでしょう。操作やシステムはとてもシンプル。迷うことはないでしょう。

□ボタンで剣を振り、Rトリガーで銃をうつ。×ボタンで高速移動(回避)ができます。ゼルダの伝説をイメージしてもらえるとわかりやすいかもしれません。冒険の途中で入手できるアイテムを使用することで、できるアクションは増えて行きますが、複雑になりすぎない程度に抑えてあります。

武器や能力は、ショップで強化できる。武器や能力は、ショップで強化できる。
装備・スキル画面。武器の能力は上がっていき、できるアクションは増えて行く。装備・スキル画面。武器の能力は上がっていき、できるアクションは増えて行く。

アクションが複雑にならない反面、敵キャラはかなりアグレッシブに動いてくるので、相手の動きを見極めて避けるのが大事になってくる感じでした。ごり押しじゃ勝てない難易度になっているのも、昔のゲームっぽくて良かったです。

ダンジョンは、簡単な謎解きがあって楽しかったんですが、ゲームの進行に重要なアイテムが隠し通路みたいなところに置いてあったりして、ちょっと設計の微妙さが気になりました。もはや見つけられるかは運じゃん、みたいな。

静かで、悲しげな音楽


サウンドトラックは全体的に暗め。美しい世界観を邪魔しない程度に、ピアノや電子音で静かに画面を彩っている感じでした。不安定な旋律が多く、それも世界観の構築に一役買っている。聞いていて落ち着くけど、どこか不安に感じさせる絶妙なバランス。最高。

値段相応のボリューム。満足度高め

インディーゲームとしては妥当なボリュームですが、長すぎも短すぎも感じないバランスは好みでした。マップ構造から、終わりがだいたい予想できるもの良かったのかも。時間的な意味もあるけど、プレイヤーの気持ち的にも「そろそろ終わりに向かっているぞ」と感じられるのは、遊んでいてとてもモチベーションが湧きました。

うーん、これもどこかで…。うーん、これもどこかで…。

作り手の美学が反映されたアート的ゲーム

作りからして、けっして商業主義をベースとしたゲームではない感じ。けど、ひとつひとつの要素に愛が溢れていて、ゲームやアニメの歴史へのリスペクトに余念がない印象を受けました。あらゆる愛が
クリエイターによる妄想・想像によってひとつのゲームとして凝固した感じがあって、僕はそれに良さを感じてしまった。遊んでいて、「あー、なんか良いな」と思えるゲームは、やっぱりとても少ないし。

光の加減が本当に美しい。光の加減が本当に美しい。

おそらくこういうゲームは、万人受けしないし、「こういうゲーム」が好きなひとにしか、好きになってもらえないんでしょう。でもだからこそ、こういう作品はインディーゲームであるべきだし、これを作ったクリエイターには賛辞の声を送りたい。僕はこういうゲームが大好きです。遊んでいて楽しいくせに、作り手の「思い」や「思想」がにじみ出ている。

もっともっとこういうゲームが増えていってほしいですな!( *`ω´)

Hyper Light Drifterは、現在Steam又は海外PS4ストアにて配信中です。日本ストアに早く来い!
追記:2017年5月25日より、日本版がパッケージ化されて発売開始になりました!めでたい!パッケージ最高!

Hyper Light Drifter 公式サイト