今日も超ゲームウォーカーにお越し下さって陳謝です。コウノ アスヤ(です。

ビデオゲームにはお決まりの仕様であるセーブとロード。それによってプレイヤーは擬似的に時を遡り、何度も失敗しながら成長していきます。ですが、もしセーブとロードを廃止し、自由に時を巻き戻して何度もやり直せるアドベンチャーゲームがあったらどうでしょうか。

Life Is Strange」というタイムリープもののアドベンチャーゲームを遊んだんですが、これ、超良かったです!いやもう日本発売前から興味あったしトレイラーはワクワクだして、本当に楽しみにしてたんですが爆上げしたハードルをいとも簡単に越えて行きました。

ゲームに限らないあらゆるタイムリープものの作品と並べてみても、かなり秀逸な出来であることは間違いないです。

Life Is Srange

Life Is Strangeは、フランスのゲームディベロッパーDONTNOD Entertainmentが開発したアドベンチャーゲーム。突然、時間を巻き戻す能力が発症した少女マックスが、親友のクロエと共に故郷オレゴン町に迫る異常気象の謎を解き明かしていきます。

イラスト調でありながら3Dポリゴンで描写された綺麗なグラフィック表現と、シネマティックなデモシーンによって、ゲームを遊んでいるのか洋ドラマを見ているのかわからなくなります。

本作は5つのエピソードに分けられ、順番にリリースされる方式が取られました。とても現代的なやり方。日本のPS4は、これら5つのエピソードが全部まるっと入っています。

主人公のマックス(左)と、その親友クロエ(右)主人公のマックス(左)と、その親友クロエ(右)

基本的なシステムは、デモシーンと行動(探索)モードが繰り返されるというオーソドックスなものなんですが、なんといってもこのゲームを唯一無二のゲームにしているのは、ワンボタンでビデオテープのようにギュルギュルと時間を巻き戻せるシステムだと思います。

ワンボタンで、いつでも、時間を巻きもどせる

ボタン一つで、ギュルギュルギュルとビデオテープを巻き戻すようにタイムリープできるシステム、これ今まで意外と無かったですね。ぶっちゃけやってる事はセーブとロードと同じなんですが、周りの景色がギュルギュル巻き戻っていく見た目の面白さと、主人公の能力とシンクロする一体感はかなり新鮮です。好きな時に自分の意思で巻き戻せるのは結構全能感がある。初めて巻き戻した時、主人公と一緒に「うわ、マジで巻き戻った…」とつぶやいてしまったのはナイショ。

時間を巻き戻す際の、眩暈が起こっているかのようなエフェクトもgood。時間を巻き戻す際の、眩暈が起こっているかのようなエフェクトもgood。

後述する「頻繁に登場する選択肢」によって、「もし、あそこでああしていたら…」「あ、今の選択、ちょっと違ったかも…」と思わせられることも多く、プレイヤーが自発的に力を使いたくなるような作りにしっかりなっているところも、良いなと思いました。

選択肢が絶妙

頻繁にプレイヤーに投げかけられる選択肢は、極めて絶妙なものになっていました。どれが正解なのか判断に迷うようなものばかりで、しかもその選択は時にプレイヤーの予想を大きく超えた結果をもたらします。そして「ミスった」と思えば巻き戻せば良いし、「間違って無かった」と思えばそのまま進めば良い。この塩梅が絶妙。

事あるごとに選択肢が現れる。その結果は安易に予想でいきない。事あるごとに選択肢が現れる。その結果は安易に予想でいきない。

プレイヤー自身の確かな(ひとつひとつはとても小さく些細に見えるような)選択の積み重ねによって、物語がどんどん大きく分岐していく面白さ。これは本当にゲームならではです。ゲームやってる!って感じになりますね。

日本版は全エピソードが入ってましたた、分割リリースを味わった人はさぞ「あの選択は合ってたのか?間違ってたのか?はやくー!」となっていたんでしょうね。ある意味羨ましいゲーム体験。

散りばめられた「判断材料」

プレイヤーはマップを自由に歩き回ることができるんですが、その中で様々な「人」と会話したり、「小物」を調べたり、使ったりすることができます。その物量は普通のRPGとかアクションゲームの比ではなく、マップ探索そのものが普通に楽しい。そして、何をどれくらい調べたか、それはそのまま、選択肢をどう選ぶかの判断材料にもなっていくので、おそらく、誰もが絶対選ぶ選択肢というものがほとんど存在しません。これはすごい。

調べられるオブジェクトは大量にある。なにをどれくらい調べるかがその後の選択肢に効いてくる。調べられるオブジェクトは大量にある。なにをどれくらい調べるかがその後の選択肢に効いてくる。

また、メニュー画面で自由に見られる「今までの日記」や「知り合いとのメール」を読み込むかどうかによっても変わってきます。僕はじっくり読み込む派でした。

マックスの日記。ゲームが進行すると自動で書き込まれる。あらすじ的な役割も果たす。マックスの日記。ゲームが進行すると自動で書き込まれる。あらすじ的な役割も果たす。
プレイ中に他キャラクターから送られてくるメールは、読んでも読まなくても良い。プレイ中に他キャラクターから送られてくるメールは、読んでも読まなくても良い。

ちなみに各章の終わりに、フレンド内または世界中でどの選択肢が何割の人に選ばれたのかが開示されるんですが、これかなり面白い試みです。自分が選んだ選択肢が多数派だったり少数派だったりする事に一喜一憂してしまう事実w

チャプター終わりには、どの選択肢がどれだけのプレイヤーに選ばれたかわかる。チャプター終わりには、どの選択肢がどれだけのプレイヤーに選ばれたかわかる。

音楽の使い方が良い

物語における「山場・見せ場」で、驚くほどにBGMが流れないのも独特でしたね。残念ながらポリゴンのクオリティはそこまで精細なものではないので、表情の演技とかは全然ありませんでしたが、声優さんの演技(日本語も良かった!)と、カメラワークや演出によって、良さが半端ないことになってました。

そして、そのおかげで時々流れる音楽が際立っていて、全体的に無駄なく上品な音楽の使い方になってました。

制作者「トゥルーエンドは存在しない」

いろいろと褒めてきましたが、僕が本当に賞賛したいのがこれ。「トゥルーエンドは存在しない。プレイヤーの選択がそのまま物語になる」と開発者が謳っているのを読んで、正直ビビりました。トゥルーエンド(オーラス)が無いだと…?

次第に体に異変が生じていくマックス。この物語に全員が幸せになるハッピーエンドは存在しない。次第に体に異変が生じていくマックス。この物語に全員が幸せになるハッピーエンドは存在しない。

でもこれって実はすごい良いですよね。結局トゥルーエンドがあるゲームってそれ以外の結末は全て前座(過程)に過ぎず、トゥルーに行けなかった自分の選択は間違いだったと感じてしまうのが問題でした。でも Life Is Stangeは全ての選択肢と結末が正解であり間違いでもある。だからこそ「自分の選択」に重みが増してプレイ体験に深みがでる。

物語はオーソドックスだが、ゲームである事がでかい

物語はドラマティックで面白かったです。しかし、タイムリープものとしてはかなりオーソドックスな展開であることは否めず、映画「バタフライエフェクト」やゲーム「シュタインズゲート」などの有名なタイムリープものと展開が酷似しているのはちょっと残念でした。まぁ、これ系の話が似てしまうの宿命でもあるんですが…

他キャラクターの行動や、マックスに対する態度は選択肢でどんどん変わっていく。他キャラクターの行動や、マックスに対する態度は選択肢でどんどん変わっていく。

しかし、今までは物語の主人公がタイムリープに奔走する姿に感情移入していましたが、Life is Strangeはゲームなので、まさにプレイヤー自身が時間を遡行します。そして、幾度となく訪れる選択の瞬間に苦悩し、訪れる結果に驚き、救うべき存在はなんだったのか、何が正しいのかわからなくなっていく恐怖を味わいましょう。

タイムリープの面白さ、怖さを味わえるエンタメ作品としては、史上トップなのは間違いないこのゲーム。PS4を持っている人は、ぜひ遊ベき作品だと思います。