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ぬくもりのあるグラフィックに反した歯ごたえ抜群のアクション「テスラグラッド」をレビュー

アクションや良し!しかし物語は消化不良

こんにちは!今日も超ゲームウォーカーをご覧下さり、ありがとうございます。コウノ アスヤ(です。

カートゥーン調の美麗グラフィックアクションゲーム「Teslagrad」をクリアしたので、レビューがてらご紹介します。

テキストを一切排除してグラフィックでストーリーを語ろうとしたTeslagrad。確かにアクションゲームならそれぐらいでも丁度いいかもしれないが、はたして…?

Teslagradとは

スクリーンショット

Teslagradはノルウェーのインディーゲーム開発会社rainによる横スクロールアクションゲーム。主人公は「磁気の力」を使え、それを利用しながら、多くの謎が隠された巨塔を散策していきます。

磁力を使った謎解き

頭を捻らせる謎解きや、歯ごたえのあるアクション要素もさることながら、テキストを一切排除したストーリーテリングが特徴的な作品。ゲーム中には、1文字もテキストが使われることがありません。ビックリ。

あらすじ

お母さんに言われたんだったー
「あなたを失うと私たちの未来が閉ざされてしまう」
大雨のあの夜、ぼくたち親子を狙っている男たちから逃げながら、ぼくは塔に向かって一直線に走った。

「私たちの未来ってなんだろう?」
ぼくはなぜか使命みたいなものを感じたんだ

ひょっとしたらこの大きな塔には
この王国の本当の闇があるのかもしれない
待っててね、お父さん、お母さん

アクションはとても面白い

オブジェクトに磁力を帯びさせることができる

基本的には、物体に電極を与える「マグネットグローブ」、瞬間移動を可能にする「ブリンクブーツ」、自分が磁力を帯びる「ポラリティクローク」の3つを使って謎を解いていきます。オブジェクト同士が引き寄せ合ったり、反発しあったり、その慣性を使って自分を吹き飛ばしたりしり、「物体に電極を与える」「自分が電極を帯びる」この2つだけでこんなにアクションのバリエーションが出るのが驚きでした。

磁気を纏って中に浮く

塔の真ん中に一本どデカイ磁力エレベーターがあるのとかゼルダっぽくて良かったし、ボールの中に入って磁力で転がすところとか良く考えられるなぁって感心しました。

グラフィックが美しい

美しいグラフィック

美しいグラフィック

キャラクターや背景に使われるグラフィックは全て手書きのイラストが採用されています。スチームパンクと中世ヨーロッパ風の世界観がミックスされていてすごく良い味を出しているので、ツボる人には本当にツボると思います。
実際、僕はこのグラフィックで購入を決意しました。主人公や敵キャラのアクションには所謂「リミテッドアニメ」的な省略と誇張の美学があり、ただのポリゴンよりもよりいっそう動きが生き生きしているのも魅力です。

「リミテッドアニメ」については記事にしているのでこちらもどうぞ
【省略と誇張の美学】アニメ「リトルウィッチアカデミア」の尋常じゃない和製アニメ感

物語の語り口はぶっちゃけ不満

語りすぎているストーリー

テキストが一切使われないので、基本的にはグラフィックやピクトグラムでゲーム説明やストーリーテリングが行われるんですが、これがちょっと中途半端な印象でした。想像できる良さはあるんだけど、それにしては絵で語ろうとしすぎ。普通に物語がわかっちゃうレベル。加えて、その「敢えて語らない部分」にそこまで深みが無いから、考察する気もそこまで起きない。

もっと「プレイする人によって解釈が別れる」とか「想像する事自体が楽しい」みたいな感じになっていて欲しかったです。そのあたりはdreepsがすごい良かったですね。

つまり、明確なストーリーが作者の中にあるならそれをしっかり伝えて欲しいし、そうでないなら下手にディテールをこらずに想像の余地を残しまくって欲しかった。というか、まず公式サイトであらすじを公開してしまっているのがおかしいだろ!そのせいで、意味ありげなイントロも普通にみんな解釈できてしまうだろ!笑

なんだか、ファミコン時代の伝えたい物語はあるけど「そこにコストがかけられないから仕方なくテキストを無くしているゲーム」を思い出しました。ていうか、実際Teslagradもそうなんじゃないでしょうか?笑

せっかくグラフィックも素晴らしいし、ピクトグラムも分かりやすいんだから、もっと振りきって欲しかったです。

気持ちの良くない難易度

ストレスな難易度

謎解きやアクションの難易度が、少しストレスがたまる方向に難しかったです。まず、ライフゲージという概念が無いので、一発喰らえば死亡。なのにボスキャラはロックマンシリーズのボス並に様々な攻撃パターンを持ってたりするので、もう完全に覚えゲー。これは完全にストレスでした。「悔しい」んじゃなくて、「面倒くさく」なっちゃう感じ。せめて物語中盤で、ライフが2つとかになればなー。

75/100点

とはいえ、安いし、短くコンパクトなゲームなので、不満点もそこまで言うほど気にならず、5〜10時間くらいでサクっと買って遊べる良質なインディーゲームでした。オススメです!

TeslagradはPS4,PS3,WiiU,Steamで配信中です。

追記:2017/11/16(木)より、Nintendo Switch向けにも配信開始されました。

Teslagrad公式サイト

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この記事を書いた人

asuyakono

コウノ アスヤ

1992年生まれ、岡山県出身。武蔵野美術大学デザイン情報学科を卒業した後、都内でデザイナーとして活動中。小さい頃からゲーム好きで、四六時中ゲームのことを考えている。

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