超ゲームウォーカー!

search

すげぇ楽しい!まっ暗闇で様々なシーンを追体験する「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」が最高だった

ダイアログ・イン・ザ・ダーク

あなたは、目以外の何かで、ものを見たことがありますか?

こんにちは!いつも超ゲームウォーカーを読んでくださって、ありがとうございます。コウノ アスヤ(です。

先日、暗闇をエンターテインメントに昇華させた施設「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」で遊んできました。そこは、純度100%の真っ暗闇。全てが見えない空間でアテンド(視覚障害者)に導かれながら、暗闇を体験するエンターテインメントです。

目以外のあらゆる感覚を使って暗闇を体験した僕は、前よりずっと、暗闇を好きになりました。

ダイアログ・イン・ザ・ダークとは

Dialog in the Dark

ダイアログ・イン・ザ・ダーク(DID)というのは、純度100%のまっくらやみの中で、視覚以外のあらゆる感覚を使って、日常生活のあらゆるシーンを体験するエンターテインメント形式のワークショップです。

ドイツで始まったDID
1988年、ドイツの哲学博士アンドレアス・ハイネッケ(英語版)の発案によって誕生したDIDは、今や世界30か国以上・約130都市で開催されており、学校や企業団体での課外授業・研修などにも利用されていたりします。

意外と普及してるっぽくて、今まで全く知らなかったのがちょっと恥ずかしい。

日本で体験できるのは2箇所!

東京は渋谷区の外苑前会場、そして、大阪はグランフロント大阪会場「対話のある家」でDIDを楽しむことが出来ます。今回僕は、東京の外苑前会場で体験してきました。
国立競技場駅から歩くこと約10分。コンクリートでできたビルの1FにDIDはありました。

外側はこんなかんじ。
外観
カフェっぽい立て看板が立ててあるので、迷うことは無いと思います。なんとバレンタインが近かったので、今日はLOVEバージョンらしい…。なんやそれ!

エントランスも綺麗。
エントランス

とてもお洒落で落ち着くロビー

ロビー
入ると、ロビーになっており、なんだかかなりおしゃれな印象。ロビーに置かれた家具はどれもオシャレで、同伴したインテリアデザイナーの友人も「超良い」と絶賛。どうやらオーナーの方がアパレル関係出身らしく、家具もこだわっているらしい。

一面がロゴであしらわれた壁が圧巻!かっこいい!
壁
なんと、ロゴはデザイナーの水野学さんがデザインされたそう。どうりで、洗練されているわけだ。普通にかっこいい。

壁にはDIDの諸注意やルールを記したピクトグラムも。
ピクトグラム
細かいところまでセンスが光ってる。

DIDは、時間単位でスケジュールが組まれていて、その中の好きな時間を選んで参加するイメージ。一人あるいは団体で参加できるんですが、1団体4名までという決まりがあります。なので、必ず知らない人と組み合わさるようになっているのがミソです。

※大人数で参加したい場合は、分けて体験するか、貸し切る、というのがマナーというか決まりです。

そうこうしていると、案内の方に呼ばれます。

ルールがまず面白い

ブリーフィング出典:47NEWS

事前に白杖(視覚障害者の方がよく持っているあの白い杖)を渡された参加者が数人のグループになり、完全に光を遮断した暗闇のコースを歩いていきます。暗闇内では「アテンド」と呼ばれる視覚障害者のスタッフが参加者を先導しサポートにあたってくれます。各コースでは日常生活のあらゆるシーンが再現されており、参加者同士で声をかけあいながら、床や壁・設置物を触ったり、飲食などの体験をします。体験時間はだいたい90分ぐらい。

何も見えない空間の中で、参加者は視覚以外のあらゆる感覚を使わざるを得なくなります。その過程で視覚以外の様々な感覚の可能性と心地よさに気づき、そしてコミュニケーションの大切さ、人のあたたかさを思い出します。

体験レポート

バナー
ここからは、実際に体験した感想をつらつらと書いていこうと思います。ここまで読んで気になった方、行こうと思っているかたは、若干ネタバレになるのでご注意を!

※写真は撮影禁止なので、文字だけのレポートになります。

ルール説明、グループの顔合わせ

時間になると、同じ時間に参加する人達が集まります。僕は3人で参加、あとは2人、1人、1人の組み合わせで計7人でした。まずは、スタッフの方から簡単な説明を受けます。

これから体験するのは、純度100%の暗闇。視覚以外の五感や声でコミニュケーションをとっていきましょう

わくわくしてきた。光るものを身につけている人は、預かってもらえます。携帯電話や財布すらも置いていく。文字通り手ぶら。けっこう不安。

アテンドの方が登場

すこし暗い部屋に移ります。ここで、今回の僕たちのアテンドとご対面。女性の方でした。後でわかったんですが、なんと20歳の大学生!大人っぽくてとても落ち着いた方で、すごいなぁと心のそこから感心。

白杖(はくじょう)が配られ、簡単な使い方をレクチャー。
白杖
この辺でだんだんわくわくしてきます。アテンドの方は目が見えないのに、この辺りの手順はとてもスムーズにこなしていて驚き、そして感心。

光がなくなっていく…

さらに暗い部屋へ。結構暗いがまだギリギリ見える程度です。そして、この部屋で光を調整し、ほぼ真っ暗に!みんな不安がったり、笑ったりしていましたが、どこか声には不安げな感じが混じり始めます。まずは暗闇の中で円になり、全く見えない状態で、あだ名を付け合います。少し恥ずかしかったですが、後々、このおかげでみんなの中が深まった気がします。そのまま白杖を使ったり、声をかけたり、肩に手を置いたり、手をつないだりして、ゆっくりと次の部屋へ。

そして、ついに純度100%の暗闇へ!

その1:公園エリア

見えねぇぇぇえええええええ!!!

本当に何も見えません。自分の手すら見えない。メンバーの声や、アテンドの先導、そして自分の聴覚と触覚を頼りにするしかありません。どれだけおどおどしていたんだろう、思い出したくありません。笑地面の感触や、木々がそこにある感じを感じだり、音(水が流れている?)に耳を済ませてみたり。「あ!シーソーじゃない?」「向こうの方で水の音がするよ!」知らない人と声でコミュニケーションをとります。一緒になった中の一人と、シーソーに乗ってみたりしました。そして、アテンドの方が一言。

丸太橋を渡りましょっか!

えっ無理!!怖い!けれど、先頭を行く人が言葉で説明してくれたり、前を行く人の肩に掴ませてもらいながら慎重にすすみます。このあたりで、言葉でコミュニケーションを撮ることに抵抗がなくなってきたり、躊躇することなく手で触りにいったりし始める。だんだんと、視覚以外の感覚を積極的に使うことに慣れてきました

その2:屋内エリア

ベンチだと言われて座ると、どうやら奥行きが。なんと、ここは縁側だ!ということは、その先はなんと「和室×こたつ」!暗闇のなかなんとか7人全員こたつに座り、アテンドの肩と触覚で楽しむトランプを遊んでみる。こたつという、形も使い方もイメージしやすい物があるだけで、空間の安心感は桁違いに上がります。自分の部屋だと、暗闇でも割りと行動できるのはそういう部分もあるんだろうなぁ。

段差を乗り越えたり、吊り橋を渡ったりしながら最後のエリアへ。

その3:飲食エリア

部屋に入ると、良い匂いと共に、人の話し声が耳に入ってきます。どうやら、1つ前のグループと被るようになっていて、喧騒感がある空間に。なるほど、どうやらここはバーみたい。けど、見えないだけで、バーですら怖い!けど、楽しい!

ここではジュース、お酒、そして軽食を頼むことができます。ベルギービール2種、ワイン一種、りんごジュース、ココア、そしてベルギーチョコレートが注文できました。メニューを聞き、選び、お会計をする。(アテンドの方はやっぱりスムーズ!)そんな体験すら、暗闇ではとても楽しい。僕はワインを注文しました。何ワインかは教えないので、考えてみてくださいとの事。匂いや味で、おそらく赤ワインかなーと思いましたが、全然詳しくないのであたっていたのかは不明。笑

ちなみに、目が見えないので、匂いや味、そして器の形など、様々なものを意識することができました。おしゃれなバーをイメージしてるけど、実はすっごいしょぼいバーだったりして。その辺りも視覚では何も分かりません。

ここで、参加者で談笑。なぜ参加したのかとか、職業や出身等をお話しながら仲を深めます。暗闇だと、なんだかとっかかりがなくなって雑談しやすい気がしました。不思議。

暗闇に対するイメージが変わった!

知らない人と、声を掛け合い、手をとりながら体験する暗闇は、正直めちゃ楽しかったです!目が頼りにならないと、人って本当に、触覚や聴覚、嗅覚そして、言葉をすごい使うようになるんだなーって思いました。そしてなにより、「こういう時が怖い」「こうされると嬉しい、安心する」といった、視覚障害者の人の気持ちが、ほんの少しだけどわかったような気がしたことが嬉しかったです。

体験し終わった後は、ロビーに並んでいるグッズ類を買って変えるのもまた一興。
グッズ棚
グッズ類
いい感じのトートバッグとか、本とか、グッドデザイン賞を受賞したタオルとかもありました。
(買えば良かった…!)

エンターテインメントとして楽しめつつ、自分の感覚と向き合いながら、さらには視覚障害者の方への理解も深めることができる。一石三鳥な最高のエンタメ。混みまくる前にこれてよかった。シーズン毎に内部の構造やテーマが一新されるらしいので、これから何回でも行きたくなりますね。

ダイアログ・イン・ザ・ダーク、今すぐあなたも体験すべきです!

ダイアログ・イン・ザ・ダーク公式サイト

この記事をSNSにシェア

feedly Feedlyで購読

この記事を書いた人

asuyakono

コウノ アスヤ

1992年生まれ、岡山県出身。武蔵野美術大学デザイン情報学科を卒業した後、都内でデザイナーとして活動中。小さい頃からゲーム好きで、四六時中ゲームのことを考えている。

アクセスランキング