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【レビュー】3DS「シャンティ 海賊の呪い」横スク2Dアクションのエッセンスが全てつまった最高のドット絵ゲー!

懐かしき2Dアクション、再臨!

どうもコウノ アスヤ(です。

日本を代表する2Dアクションゲームといえば、マリオとかカービィとかロックマンとかその辺だと思いますが、そういう「ふるき良き2Dアクションゲーム」の流れを見事に受け継いだ王道作品が、なんと海外からやってきました。2015年に日本で発売された2Dアクションゲームの中でどれが一番かと言われれば、僕はこのシャンティだと思いますねぇ!

シリーズ3作目にして、ついに日本上陸

シャンティ 海賊の呪い」は、アメリカのWayFoward(ウェイフォーワード)が開発した、2Dアクションゲーム。ジーニー(魔法使い)と人間との間に生まれた女の子シャンティを操作して、因縁のライバル「リスキィ・ブーツ」と協力しながら、パイレーツ・マスターの呪いを解くために7つの島を冒険します。

ゲームボーイとDSiWareで過去作が2本発売されていて、海外では絶大な人気を誇るシリーズなんですが、悲しいかな、日本での知名度は皆無に近い(笑)主人公のシャンティはスマブラに参戦してほしいキャラクター投票ランキングでキングダムハーツのソラやメタルギアのスネークを差し置いて、なんと1位になったりするレベルなのに、何故だ!もっと気合だせパブリッシャー!

しかし、やっと、ついにシリーズ3作目にして念願の日本上陸!2014年10月に発売されてから約1年。ようやくといった感じですが、嬉しい!

キャラクターや世界観などのデザインがとても良い

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シャンティシリーズのキャラクターデザインは、悪く言えばちょっとアメリカ臭くてとっつきにくかったのがネックでした。しかし、今作はロックマンゼクスなどのキャラクターデザインを手掛ける日本人イラストレーター矢部 誠(KOU)さんが起用されたことで、一気に親しみやすいビジュアルに!!それだけで飛びついてしまうのがゲーマーの性です。ごめんなさいw

でも、この方針転換は大成功だと思います!

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矢部誠さんのデフォルメ具合は実に日本のデザインっぽいですね。コメディタッチの世界観やシナリオと見事にマッチしていて、感情豊かなキャラクターを見事に表現できてます。プレイの合間のカットシーンでどんどん愛着が湧いていく自分がいました。過去作のデザインが悪いとは決して思いませんが、この矢部誠さんのデザインによって、さらに世界観に磨きがかかった気がします。何度観てもキャラデザが秀逸だ。好きすぎる!

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2Dアクションゲームとして上質

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日本の良質な2Dアクションゲームを参考にしているというのもあって、このゲームはキャラクターのアニメーションがすごく良いです。もう、動く動く!ドット絵ゲーとしても史上最高峰なんじゃないでしょうか。

見た目だけでなく、ダッシュ・空中ジャンプ・遠距離攻撃などの使えるアクションがすごい豊富で、操作していて純粋に気持ちが良かったのも高ポイント。ほんと、2Dアクションゲームはキャラクターの動きが気持よくないとやってられないですからね。

振り返ってみると、スピード感や動きの文法はロックマンに似ている気がしました。ゲームを進めると使えるアクションが増えていくところもセオリー通りで安心できました。

ザ・王道!って感じがして、すっごい楽しかったです。

和ゲーゆずりの謎解き要素

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シャンティは、ロックマンなどと違って、2Dアクションながらも各ステージや街に解き要素が散りばめられています。一度クリアしたダンジョンでも、後から手に入れたアクションを使えば新たな道が開けたりするなど、「様々な場所になんとも訪れる」ような仕組みになってたりして、この辺りはメトロイドやゼルダの伝説チックなギミックでしたね。

4gamerのインタビューによると、このゲームのディレクターであるマット・ボゾンさんは大の日本ゲーム好きらしく、まさにメトロイドやゼルダの伝説などの和ゲーにかなりインスパイアされているみたいです。それを聞くと、ルピーっぽいゲーム内通貨とか、ハートを4つ集めて最大値増加とか、至る所にその片鱗を見ることができますね。同じ和ゲー好きとして、とてもニヤニヤできます。

音楽も良い

主旋律がハッキリとした、良い意味で一昔前のゲームっぽいサウンドが、ノスタルジーを刺激します。最近では大逆転裁判にサウンドにも同じ印象を受けましたが、音数が限られていた当時のゲーム音楽の雰囲気を残したまま、チープに聞こえないようにブラッシュアップした感じ。耳に残りやすいし、アガります。

良いゲームは音楽もいい。この鉄則を守ってきた辺り、シャンティ、侮れません。

気になったところ

あまり無いんですが、強いて言うなら「使い所がないアクション」が数個紛れ込んでいたことですかね。非常にもったいないと思いました。あとは、収集要素にあまり推理の要素がなく、しらみ潰しにマップを探せば見つかるようなものになっていてちょっと物足りなかったです。このあたりの「難易度」は好みかもしれませんね。

本作から遊んで全く問題無し

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クリアまでの時間は7時間ほど。長すぎずコンパクトにまとまった非常に上質なアクションゲームでした。久しぶりに心のそこから楽しめて、キャラクターに愛着が湧く感覚を思い出せてすごい楽しかったです。

ちなみにシリーズ三作目ですが、本作から遊んでも全く問題ありません。ストーリーはシンプルだし、公式サイトなどで前作までのあらすじが説明してあります。

次回作も期待!

既に次回作「シャンティ 1/2ジーニーの英雄」が製作中みたいです。残念ながらキャラクターデザインは矢部誠さんではなくなってしまったようですが、デザインが作品毎に変わるのはシリーズ恒例なので仕方ないですね。とはいえ、次回作のデザインは、これはこれで可愛い。

2Dドット絵だったグラフィックは3Dポリゴンになっていますが、映像をみてみると意外にも良さは失われていなそうなので安心しました。期待ですね!

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この記事を書いた人

asuyakono

コウノ アスヤ

1992年生まれ、岡山県出身。武蔵野美術大学デザイン情報学科を卒業した後、都内でデザイナーとして活動中。小さい頃からゲーム好きで、四六時中ゲームのことを考えている。

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