超ゲームウォーカー!

search

レビュー「ペルソナ5」和ゲー三種の神器が高水準で融合した至高のJRPG!

年末年始のAAAタイトルラッシュで嬉しい悲鳴をあげておりますコウノ アスヤ(です。

先日、ペルソナ5を135時間かけてクリアしました。このご時世、この年齢で、よく1つのゲームを135時間も遊べたもんだなぁと自分自身に関心していたところです。

振り返ってみるとそれは、やっぱりペルソナ5が間違いなく「面白かった」からであり、僕という1人のサラリーマンの時間をそこまで盗んでしまうほどの魅力がこのゲームにあったからでしょう。このゲームを遊んだ多くのプレイヤーが「面白い!」「傑作だ!」と盛り上がっているので、今更レビューなどしても遅いような気もしますが、個人的に関心したポイントとともに、「なぜ面白いのか?」を少し深堀りしてみようかと思います。

8年ぶりのナンバリングタイトル!シリーズ5作目

ペルソナシリーズは、アトラスの「真・女神転生シリーズ」から派生することで誕生したRPGシリーズ。時間や人間関係を主軸にしたシステムは第3作「ペルソナ3」あたりから確立され、今作、ペルソナ5でそのシリーズの歴史は20年になります。

ちなみにペルソナシリーズは話が繋がっていないので、どの作品から手を出しても楽しめます。かくいう僕も実はペルソナ5が初めてのペルソナシリーズ。今まで、ただのおしゃれゲームだと思っててすみませんでした!

これぞJRPG!最高でした

渋谷や新宿など、東京の街並みがリアルに再現されたマップ渋谷や新宿など、東京の街並みがリアルに再現されたマップ

結論からいうと、ペルソナ5、めっちゃ面白かったです!

現代を舞台にしたジュブナイルと、それをRPGというシステムに落とし込んだ秀逸なシナリオ。そして、ギャルゲ要素とRPG要素の見事な絡み合いによるゲーム性と、それらを繋ぐリッチなアニメUIによる総合的なおしゃれ感。どの要素も無駄なく繋がっていて、とてもとても良くできたゲームでした。ほんと、久しぶりにこんなに良くできた和ゲーを遊んだ気がします。感謝や…

RPG的お約束をバッチリ現代風に落とし込んだストーリー

男プレイヤーとしては、かわいい女キャラが多いのが嬉しいことこの上なし男プレイヤーとしては、かわいい女キャラが多いのが嬉しいことこの上なし

まずこれを言いたい。ストーリーがめっちゃ良かった!現代社会を風刺しつつ、RPG的王道を現代の渋谷に落とし込んだ一品。これだけでRPGとしては買う価値があるとすら思います。(最近はストーリーが適当でヒドいRPGがたくさんありますから…)

そして、これはおそらくシリーズの良い所なのだと思いますが、今作もRPG的なお約束要素がしっかりと現代風に置き換えられてます。例えば…

ダンジョン=悪人の心の中
敵=悪人における認知上の他者
武器=現実世界のレプリカ
回復アイテム=病院の薬

といった具合。現実におけるいろんな要素が、うまくゲームに落とし込んであるおかげで、物語が「ありえるかもしれない」と思えるし、自分自身の世界に近くなるから、より主人公に自分を重ねてロールプレイしやすくなる感じがありました。

ギャルゲ要素とRPG要素の見事なリンク

好きなキャラクターと、好きなように親睦を深めることができるガチギャルゲ顔負けのギャルゲ感

ダンジョンとダンジョンの間に、サブキャラクターと交流して親睦を深めていくいわゆる「ギャルゲパート」があるのですが(ていうかもはやこっちがメイン)、このギャルゲーパートとダンジョンパートが、しっかりとリンクしていて分断されていないところが素晴らしかったです。

特筆すべきは、ギャルゲパートがただの恋愛物語に留まっていないところ。RPGでは大切な「サブキャラの掘り下げ」を、しっかりとギャルゲパートで補っているのがGood。これ、興味のない、好きになれないキャラクターに関しては、スルーしとけば掘り下げずに終われるのですごい良いなと思いました。

そうして、サブキャラと交流することで上がっていく親密度が、そのままダンジョンパートでのバトルに効いてきます。(連携して連続で攻撃できたり、勝手に回復してくれたり)2つのパートのシームレスなデザイン、素晴らしかったです。

戦闘のエフェクトは派手でアニメチックで楽しい戦闘のエフェクトは派手でアニメチックで楽しい

そしてさらには、両方のパートの見せ場で、各キャラクターとの親密度が行動やセリフに反映されます。その辺のオープンワールドRPGよりよっぽどこの方がRPGですやん!笑

あと、基本は一本道でも、自分で行動を選べる自由度と、ことある毎に判断を迫られる選択肢の応酬によって、ちゃんと「自分で選択して行動した結果」感を感じられてGood。オープンワールドでないRPGのシナリオとしては、これ以上ないのではないでしょうか。

アニメUIで楽しさを繋ぐ

2階調アニメ風のUI。オシャレで、かつ機能性がある2階調アニメ風のUI。オシャレで、かつ機能性がある

ペルソナ5がお洒落だと謳われている原因はこれです。ユーザーインターフェース(UI)が良い!メニューを開いた時、戦闘に勝ったとき、画面の表示、ボタンを押した時の挙動まで、あらゆる要素がスタイリッシュでグリングリン動くこの独特のUIはそれだけで気持ち良い!

さらに言えば、このUIは、同じことの繰り返しになりがちなペルソナのゲームプレイを「飽きさせない」ようにする潤滑油のような存在でもあったと思ってます。見ていて楽しくて、触って気持ちい。その独特なUIがギャルゲパートにもRPGパートにもふんだんに採用されていることで、両パートがどちらも繋がって感じられるようになっているのではないかと。

その他個人的に良かったところ

・相変わらず音楽がオシャレでかっこいい
・ロード画面が前後の場面によってちゃんと変わる
・総攻撃ボタン「△」が、表示されるより前に判定を受け付けている
・パレスから脱出したときの「どこまで進んだか」のチェックリスト

persona504

気になったポイント

・どうみても仲間になりそうなキャラが仲間にならない(完全版に期待?)
・寝るしかない時は勝手に寝てほしい
・メメントスのようなダンジョンは、代わり映えしなさすぎてさすがに楽しくない
・日付の切り替え時など、オシャレなUIが中盤以降さすがに飽きてくる(スキップさせて欲しい)
・しんみりしたときに流れる曲が安っぽい刑事ドラマみたいにダサいし耳に残らないしでどうしようもない

間違いなく遊ぶべき一本!

persona507

「リミテッドアニメ的キャラデザ、UI」「和製ギャルゲイズムの継承」そして「王道のターン性RPG」、日本のサブカルチャーが培って来た三種の神器を見事に融合したJRPGの集大成!完全に日本人に向けたゲームであることは自明ですが、しかしそれが嬉しい!昨今、ここまでど直球に日本人である僕らにむけて作ってくれるゲームがどれだけあるでしょう。しかも各要素を雑にぶっこむのではなく、高いレイヤーでシステム的にちゃんと融合して、一本の体験として完成してくれたアトラス、ペルソナチームに感謝です。

想定プレイ時間はおそらく80時間〜100時間くらいなので、にと始めるにはハードルが高いゲームではあるのですが、それでも、2016年、いやここ数年で出たJRPGのなかではトップクラスの面白さです!買って損はなし!

ペルソナ5 公式サイト

この記事をSNSにシェア

feedly Feedlyで購読

この記事を書いた人

asuyakono

コウノ アスヤ

1992年生まれ、岡山県出身。武蔵野美術大学デザイン情報学科を卒業した後、都内でデザイナーとして活動中。小さい頃からゲーム好きで、四六時中ゲームのことを考えている。

アクセスランキング