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【感想】「スプラトゥーン」が面白すぎる!これはジャンルの歴史を”塗り替えた”んじゃなイカ?

splatoon

イカ、よろしく〜〜!

発売してからさっきまで、狂ったよう遊んでいた「スプラトゥーン」
とりあえずランクが20になり一段落ついたので、落ち着いて感想など書こうと思います。

本来、こういうゲームは感想を述べるタイミングがとても難しいんですが、スプラトゥーンに関しては、迷ってる人や、少しでも興味がある人に購入のキッカケになればいいと思うので、あえて今書いちゃいます。

こんなにおもしろいゲーム、遊ばないのはもったいない。

Splatoon(スプラトゥーン)とは

5月28日に任天堂より発売されたオンライン用のシューティングゲーム。プレイヤーは「人型に変身するイカ」となって4対4のチーム戦を行い、インクを飛ばし合って制限時間内により多くの地面を塗り合います。

スプラトゥーン

装備できる「ブキ」にはインクを飛ばしまくる「シューター」や、所謂コロコロ型の「ローラー」など多くの種類があり、ブキによって戦略が大きく変わるのが特徴で、塗られたインクの中をイカになって高速移動したり、仲間の元へ大ジャンプすることもできます。基本的には、オンラインバトルを繰り返し、ポイントをためてランクを上げたり新しいブキやギアを揃えていくのが目的。従来のシューターとは全く違う、新しいルールをもった革命的なゲームです。

本作は、ピクミン以来じつに14年ぶりとなる、任天堂の情報開発本部による新規IPのオリジナルゲームで、「社長が訊く」で書かれているとおり、誕生から開発、そして広告展開まで、かなりの気合の入り様。

さようなら「ヘッドショット」

スプラトゥーンの画面

さて、現代において、「シューター」と聞くと、パッ思いつくのは「COD」や「BF」に代表される、「戦争ゲー」でしょう。僕はこの手のジャンルはそれなりに好きですが、常に相手の頭を狙い続け、「あー、キルデス比」などと言って妙にピリピリした空気になる深夜のあの感じが少し苦手でした。嫌いじゃないけど、楽しさと同時に、どこか「ストレスのようなもの」を感じずにはいられませんでした。

スプラトゥーンには、驚くほどにこの「ストレス」を感じません。それは一重に、これまでのシューターのルールを上手く汲み取り、シンプル化し、再構成したルールのおかげでしょう。もう僕らはアタマを狙う必要はありません。狙うのはただ「床」のみ。

上級者も初心者も同じスタート地点に

勝敗画面

普通のシューターなら「敵を倒すこと」が大目的になるところですが、スプラトゥーンではそれは二の次。このゲームにおける勝敗は「塗られた地面の面積」ただそれだけです。「敵を倒す」ことよりも「地面を塗る」事のほうが重要視されているこのルールは、「エイム主義」がまかり通っていた従来のシューターの考え方を全てリセットしてくれました。

任天堂がマリオカートでレースゲームを、スマブラで格闘ゲームを再構成した時のように、スプラトゥーンもまた、シューティングゲームを全く新しいジャンルとして再構成することに成功しています。数年に一度、任天堂はこういうゲームを出すんです。鳥肌立つわ。

初心者向け?いやいや上級者も

スプラトゥーンによって既存の価値観をゼロにされた僕らは、改めてイチから、「どうやって最後の塗り面積を多くすればいいのか?」を考えるようになるのです。この強引かつ斬新なリセットは、シューターが得意な人の「ガンガン攻めるスタイル」と、ちょっと苦手な人の「後衛で細々といくスタイル」の対極的なスタイルの立ち位置を同等のものにし、今まで「ガチシューター」を嫌悪していたゲーマー、そしてわいわい遊びたいファミリー層をも取り込もうとしています。

ここまで読んで「なんだ、カジュアルゲーか」と思ったシューター好きのゲーマーの方々は、まだまだ甘い。

このゲームは一見カジュアルそうにみえて、攻め方やコツが半端無く多種多様で、ちょっとやそっとじゃ極めることができなそうなのが良いんですよ。しかも、発売当初はシンプルな縄張りバトルだけですが、今後のアップデートによって、シューター御用達の「拠点制圧系ルール」などが追加されていくので、十分にガチなユーザーでも楽しめるのもになっていると思います。

この楽しさは、本能的なものなのか

僕が3日間ぶっつづけで飽きずに遊び続けられたのは、なによりこの「塗り合い」の驚くべき楽しさのおかげでしょう。そもそも「カラフルなインクを飛ばし合って競う」といテーマが最高!いつかやってみたかったけどできなかった「インクぶちまけ」の快感を味わえるのが、こんなにも気持ちが良いとは…。

街中がインクに

「タタタタタ」とインクを飛ばし、敵にやられて「バシャン!」と飛び散る。インクに「トポン!」と沈んで、「ズズズー」っと滑る。言葉で表すとガキっぽいですが、これが本当に気持ちよくて、「シューター」ってこんなにカラっとした気持ちよさ持ってたっけ?って感じ。
全身カラフルになって走る「COLOR ME RAD」みたいなイベントも開催されるようなご時世です。やっぱりそういう欲求はあるんでしょう。

あと、不安だった「熟練者とのスキル差」は、ルールと武器によって中和され、攻め方によっては十分上級者に勝つこともできる絶妙なバランスになってます。なにより「塗った面積=チームのポイント」となるので、いくら途中まで押されていようが、ラスト数秒で塗り替えれば逆転も十分ありえます。なので、本当に最後まで気が抜けない。そして、たとえチームが負けたとしても、一人ひとりのポイントも別に表示されるので、そこで自分のポイントが高ければ、不思議とそこまで悔しくならないのが嬉しい。「負けたけど、オレ頑張ったな」となるんです。何気にこれは重要だと思います。そうして貯めたポイントは、ランクを上げたり、ブキやギアを買うために使うことができる。そして新たなバトルに向けて準備を整えるのだ。

くー!たまんねぇ!止め時が見つからねぇ!

装備品選びは、もはやファッション

ブキ屋

プレイヤーが装備できるのはインクを打つ「ブキ」と、身体に身に付ける装備品の「ギア」が3つ。ブキにはさらに、「メイン」「サブ」「スペシャル」という3つの機能がセットになっていて、それぞれ強みとクセがあるので、自分の好みのブキを模索するのが超楽しい。カッコイイのにクセのある武器に惚れてしまった日には、「お前を使いこなしてみせる」と覚悟を決めるのだ。それでもやっぱり使いやすい武器に浮気しちゃったりしてね。

ギアの「アタマ」「フク」「クツ」の見た目は完全にストリートファッションのソレで、機能よりもまずお洒落をしてしまいそうな程に完成度が高い。そして何より種類が尋常じゃなく豊富なので、ギアが持つスキルとの組み合わせで、悩みが付きない。ファッションは完成しないという言葉どおり、ギアの吟味はたぶん、このゲームに飽きるまでずっと続きそう。

そうびカスタマイズ

使いやすいブキと、好みのブキが必ずしも一致しないのがニクい!くー!たまんねぇ!もっとお洒落してぇ!!

可愛くもエネルギッシュなアートワーク

アートワーク

極彩色なカラーリング、ストリート調のデザインで統一された世界観は、「塗り合う」というコンセプトにとてもマッチしてます。プレイヤーの拠点となる「ハイカラシティ」や、その中にある「ブキ屋 」「アタマ屋 オカシラ堂」などのショップ、そしてナビゲーター役のアイドルユニット「シオカラーズ」など、背景からサブキャラまで、全てにセンスを感じます。キャラクターのボイスなどから、どことなく「大神」に近しいものを感じたりも。

シオカラーズ

定期的に情報を届けてくれるシオカラーズ。ちなみに僕は右側のホタルちゃん派。けだるい感じが良い。

そして、やっぱり特筆すべきはプレイヤーキャラである「ガール」「ボーイ」のデザイン
アートワーク

「人型になるイカ」というのは一見すると意味不明だが、これが見事にゲーム性とマッチしたデザインになっていて、しかも最高に可愛くて愛着がわく…まぁイカだけど。髪の結び目、襟足+手足で丁度イカの10本になってたり、目や口が、イカのそれをしっかりと反映していてとても納得感がある。口の中がちゃんと「漏斗」になってるのヤバイ。

飽きが来ずに、ストレスもたまらず、毎回楽しく遊べるのは、この可愛くて魅力的なデザインのおかげでもあるでしょう。くー!たまんねぇ!設定資料集とかグッズ欲しい!

アミーボ

本作のアミーボもとてもクオリティが高い。どうやらゲームの開発スタッフがモデリングを監修したようです。さいで。

オフラインモードも抜け目ない良さ

ヒーローモード

このゲームのメインはオンラインなので、それこそCODのようなキャンペーンを期待したらがっかりするかもしれませんが、スプラトゥーンの一人用モードはコンパクトに面白くまとめられて非常によく出来てます。

使えるブキや装備は固定で、各ステージ毎に求められるアクションが段々とレベルアップしていく感じで、全てをクリアするころには、すっかりベテランの動きができるようになっているという代物。マリオやゼルダを彷彿とさせる、「いかにも任天堂らしいギミックや演出」も見どころ。「ボスの三段階雄叫び」とか、まさにですよね。また、ステージ中に散らばった資料を集めると、スプラトゥーンの世界観を紐解く文書が完成していくのも良い。なぜこの世界にはイカとタコしかいないのか…?それを紐解いていくのも別の楽しみ。

特にラストバトルは、熱い展開と音楽で気分が最高潮に盛り上がるので、是非これも楽しんで欲しい!
くー!たまんねぇ!聞けば天国、うたえば極楽!

これからもどんどんアップデート

控えられたアップデート

スプラトゥーンは、半年間のあいだどんどん新しい要素が無料アップデートされていくようです。新たなブキ「パブロ」、新たなステージ、新たなルール、遊び方など、要素の小出しやめろや!と言いたくなりますが(笑)、ちょっとずつ味わうように楽しめるので、まぁこういうのもいいんじゃないでしょうか。こういうゲームはステージやルール、武器が増えるだけで、またグッとプレイヤーの熱が上がりますから。いやぁ、いまからアップデートが楽しみ!

新たなステージ

新たな武器

ジャンルの歴史は”塗り替えられる”

doom

doomから始まり、CODが歴史を変えた「戦争ゲーム」的シューターの世界。

スプラトゥーンは、これまでのシューターが悪い意味で積み上げてきた歴史を文字通り”塗り替えて”しまうんじゃないでしょうか。「撃つ」「隠れる」といったシューターの基本には忠実に、「撃ちあう」ことの本来の楽しさと、わいわい楽しむゲーム感をこのジャンルにかならず取り戻してくれるはずです!

DeNAとの提携の知らせによって「任天堂は家庭用ゲーム機に見切りをつけたのか?」などと囁かれていますが、スプラトゥーンを見てもまだそれが言えるのでしょうか。スマホゲームなどでは絶対にできない、Wii Uだからこそ遊びたいゲームを、任天堂はまだまだ出し続けていってくれるでしょう。こんな完成度のゲームを出されちゃ、嫌でもそう思わされてしまう。

このゲームには絶対に売れてほしい。本当に面白いのだから!

あと、このゲーム「色覚サポート」という色を判別しにくい方のために、色を固定する設定もあります。こういう配慮、本当に任天堂らしくて素敵。

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この記事を書いた人

asuyakono

コウノ アスヤ

1992年生まれ、岡山県出身。武蔵野美術大学デザイン情報学科を卒業した後、都内でデザイナーとして活動中。小さい頃からゲーム好きで、四六時中ゲームのことを考えている。

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