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【今、ゲーム業界はこうなってます】良著「ゲームの今」が読みやすくて面白かった!

ゲームの今

こんにちは!久しぶりにライトノベルを読んでいるコウノ アスヤ(です。

先日、徳岡正肇さんによるビジネス書「ゲームの今 ゲーム業界を見通す18のキーワード」を購入しました。
なんか読みてーなーと、フラっと本屋に立ち寄ったら目立つところに陳列してあったので衝動買い。

ゲームを作る人向けの本ですが、ゲーム業界が好きな方ならスラスラと面白く読めるオススメの本です!

ゲーム業界の構造、そして「ゲーム」という文化

ゲーム業界のすべてがわかる必読必携本

ゲームはどのような状態にあり、どこへ向かおうとしているのか。
ゲームのビジネス、カルチャー、そしてテクノロジーにまつわるテーマを、各分野のオーソリティが鋭く論じる。
日本のゲームを変えたい人も、ゲームで日本を変えたい人も必読必携の教科書!

著者の徳岡正肇(とくおかまさとし)さんは、日本のゲームデベロッパー、ライター。
TRPGのルールデザインや、雑誌やゲーム専門誌でいろんな記事を執筆されている方です。
とはいっても、この本自体、それぞれの章で執筆者の方が変わるので、徳岡正肇さんが全て書いた、というわけではないようです。

第1章 ビジネス:あなたが遊んでいるそれ、何ゲーム?

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任天堂とDeNAの業務提携で盛り上がっている昨今のゲーム業界ですが、一言にゲームと言っても、それを取り巻く環境や構造は様々です。

たとえば、電源を必要とする俗に言う「ビデオゲーム」にも「据え置きゲーム」「携帯用ゲーム」「PCゲーム」があり、スマホゲームには「Android向け」と「iOS向け」、PCゲームはブラウザゲームとそうでないものが存在します。
そして、それぞれに「買い切り型」や「F2P(基本無料)」というビジネスモデルが存在し…
と、続けていたらキリがない。

つまり、一言にゲームといっても種類は沢山あって、それぞれに独特の文化やルール、そして収益構造があるということですね。
今までなんとなく「まぁゲームって色々あるよねぇ」というふわふわした知識しかありませんでしたが、この本の第1章ではこうした、「ゲーム」という文化の体系を知ることが出来ます。

個人的に面白かったのは、東南アジアのゲーム業界がこれから熱くなってくるかも、という話でした。
「ガチャ」とか「アイテム課金」みたいなものは割りと日本特有の消費のされ方らしく、そのまま海外に持って行っても、受け入れられにくいよ、ということでした。

第2章 カルチャー:楽しみ方は無限大

ゲームというのは、基本的には「自分が遊ぶ」ものです。
そして、その「遊び」の部分こそがゲームがゲームたる所以。
第2章では、ボードゲームやカードゲーム等の非電源ゲーム、そしてIngressやゲーム実況等の様々なゲーム文化が紹介されています。
第1章であげられた「ゲーム」をプレイヤーが「遊ぶ」という構造以外にも、沢山のゲーム文化はあるよ、というお話で、ボードゲーム等の「非電源ゲーム」、プレイ実況などの「配信文化」、「ゲーミフィケイション」、「e-sports」、そしてフリーゲーム等の「自作文化」まで網羅されています。

す、すげえ。ゲームってこんなに広さがあったんだ!と…
自分のゲーム文化への知識がなんとなまぁ適当なものだったんだなと、この章でも痛感。
カタンの開拓者たち」や「ラブレター」遊びたく成ったし、実況動画見たくなったし、教育とゲームの関係も面白い!
この章が一番興味ぶかかったかもしれないです。

というか、「ラブレター」ってドイツゲームショウで受賞していたんですね!
すげえ!

第3章 テクノロジー:技術の進歩でゲームはもっと楽しくなる!

ゲームという文化は、そのクオリティや楽しまれ方がテクノロジーと密接に関わっています。
技術の進歩で、グラフィックは綺麗になり、音質は上がり、3Dになり、今やVRヘッドセットで簡単なゲームは楽しむことができるレベルに!
このブログでも紹介したスマホゲー「Monument Valley」を作ったustwoは、現在VRヘッドセットを使った続編を作っているそうですし
これからもどんどんゲームというエンターテインメントは多様性を増していくんでしょうね。(という話です)

文化的な側面だけでなく、第3章は技術的な面でも詳しく書かれています。
たとえば、グラフィック表現があがったらメニュー画面やエフェクトなどのUI(ユーザーインターフェース)はどう変わってきたか、インターネットの普及と、ゲームのネット常時接続化に伴って、ゲームデザインはどういう風に変わってきたか、など。

また、ゲームならではの音楽の使われ方についても書かれています。
ゲームなら同時に3曲流しておいて展開や場面で音量を使い分けて曲をシームレスに変えたりできるし、小節毎に区切ってループさせたり、特定の場面でループを抜けさせたりすることができますよね。
その話をきくと、近藤浩治さんの「ゼルダの伝説」の楽曲制作の話などを思い出します。
あのゲームも、的が出てきたら音楽がシームレスに変わったりしてたなぁ。

後半になるともっと技術的な話になるのですが、それは正直興味なくてサラッと読み飛ばしちゃいました。
ゲームを作っている人にとってはこの部分もとても参考になると思います。

現代のゲーム文化を概観するにはピッタリの良著!

前知識もなにもなく、拍子だけで衝動買いしたので不安でしたが(しかも分厚いし…)、平易な分でとてもわかり易く書いてあったので、超絶読みやすかったです。
グラフや写真なども多様されていて、具体的な構造などはビジュアルで確認することもできました。

ゲームにまつわる本は今まで色々読んできましたが、ここまで網羅的に広く浅くゲーム文化の事を説明してくれている丁寧な本って、他にないんじゃないでしょうか。
めちゃくちゃ最近の事(ラッスンゴレライとか)までちゃんと載ってるので、本当に直前まで書かれてたんだなぁと感心したのですが、誤字がめちゃくちゃ多くて笑っちゃいました。(スマートフォン→スマーフォトンとか)
とはいえ、意味が分からなくなるような致命的なものではなかったのでご心配なさらず。

この本、ゲーム好きならオススメです!

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この記事を書いた人

asuyakono

コウノ アスヤ

1992年生まれ、岡山県出身。武蔵野美術大学デザイン情報学科を卒業した後、都内でデザイナーとして活動中。小さい頃からゲーム好きで、四六時中ゲームのことを考えている。

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