日本のインディーゲーム業界を追ったドキュメンタリー映画「Branching Paths」を観て欲しい
コウノ アスヤ(@asuyakono)です。
最近は面白いインディーゲームが本当に多い。けれど、どれだけ面白いインディーゲームでもなかなか認知度が上がりづらい状況なのが現状。コアゲーマーの間では絶賛されているようなものでも、カジュアルなゲーマーは名前すら知らない、という事も往々にあります。
そんなのは勿体無いですよね。そんな思いから作られた映画が「Branching Paths」です。インディームをつくる「人」と、その「文化」にフォーカスしたドキュメンタリー映画で、監督のゲーム文化に対する愛が溢れていてすごい熱い。この映画もまた一般公開はされないインディーズ映画です。今日は全力でこの映画を紹介します。ひろまれ!
Branshing Paths
「Branshing Paths」を制作したのは、日本の映像制作プロダクションAssemblageとフランス人女性監督アン・フェレロ。彼女は2011年から日本に移り住み、ゲームジャーナリストとしてゲームの歴史やクリエイターのインタビューを編集していたそうです。
そんな彼女の「日本のゲーム業界は終わってなんかいない。良いゲームはある!」という思いから実現したこの映画。その完成度から、インディーゲームの祭典「BitSummit 4th」でビジネス的・PR的なチャレンジのあるタイトルに贈られる賞「MAGICAL PRESENCE AWARD」を受賞しています。
観やすいうえに、とてもわかりやすい
映画のつくりはとてもシンプル。インディーゲームをつくったクリエイターにインタビューをして、その言葉をまとめています。その中で、彼らを支援する人や組織、作られたゲームを広めるためのイベントやプラットフォームの話にシフトしていき、そんな文化が日本における「同人」とどのように違うのか、といた文化論にまで発展していきます。文化を扱うドキュメンタリーって往々にして展開が淡々としていて専門的なことが多くなってくるので、この観やすさがこの映画の良いところだと思います。少しでもゲームが好きだったら、すんなり観れる。
名作インディーゲームのカタログ的意味合いもある
取り上げられるゲームとクリエイターは、正直言ってインディーゲームを好む人間からするとかなりメジャーなラインナップ。けれど、これすらやっぱり一般のゲーマーにはまだまだ知られていません。しっかりと評価された作品を扱っているあたり、奇をてらっていなくて好感がもてます。
逆に言えば、あまりインディーゲームについて詳しくない人は、映画に出てくるゲームを遊べばマジでハズれなしということでもあります。
整っていない、日本のインディーゲーム界
映画を通して感じたのは、まだまだ日本のインディーゲーム業界は、場やプラットフォームが十分に整ってないんだなぁということ。どれだけ面白いゲームをつくっても、どうしても個人の力ではそれを広める力には限度がある。そして、遊んでもらうプラットフォームもまたしかり。PLAYISMやSTEAMも、日本では使ってるユーザーはまだほんの一握りでしょう。そのための組織や場が徐々に整いつつある日本。この映画で、少しでも「面白いゲーム」「素晴らしいクリエエイター」が知られ、広まればいいなぁ。