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リマスターってなんだっけ?原型を留めながらもまったく別のゲームに生まれ変わった傑作「オーディンスフィア レイヴスラシル」

コウノ アスヤ(です。

ネタ切れか、原点回帰か。古いゲームのリメイクやリマスターが増えてきた昨今。多分にもれず、PS2の歴史的名作「オーディンスフィア」もやっと、やっとのこと、リマスター化される運びとなりました。画集が買っちゃうくらいグラフィックがステキなオーディンスフィア。サントラ買っちゃうぐらい音楽がステキなオーディンスフィア。フィギュア買っちゃうぐらいキャラクターがステキなオーディンスフィア。僕が一番好きな2Dアクションゲーム。あぁ、あぁ!オーディンスフィ

取り乱しました。

オーディンスフィアの当時と今

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オリジナル版が発売されたのは2006年。職人芸の域に達している美麗な2Dグラフィックとアニメーション、すれ違うように絡みあうオムニバス形式のシナリオは、当時かなり高評価でした。その半面、もっさりな戦闘と不親切なシステム面、そして背景グラフィックとステージの使い回しに苦言が呈されていたのも記憶に新しいですね。(個人的には、それがあってこそあのシナリオありとも思いますけど)

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それから10年ものあいだ、オーディンスフィアは「2Dイラストがアニメーションする横スクロールアクションゲーム」というカテゴリーの金字塔的な存在になり、似た雰囲気のゲームが出れば「オーディンスフィアっぽい」という褒め言葉として扱われるようにもなりました。雰囲気ゲーを「ICOっぽい」と褒めたり、謎解きゲーを「ゼルダっぽい」と褒めたるするような感じです。

リマスターと呼ぶには変わりすぎ、リメイクと呼ぶには原作そのまんま

この感覚は、オリジナル版を遊んだことのある人にしかわからないと思いますが、今回のリマスター、なんというか違和感が半端ないんですよ。

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ただワイドHDに対応しただけじゃなく、システム面からグラフィックまで、あらゆるところが原型が留まってないくらいべらぼうに遊びやすくチューンナップされてます。その大量の変更点は事前の情報で明らかにされていましたが、なんかこう、遊んででもこれだ!って気づくことができないんです。

「あれ…?ここって、こうだっけ?」「あれ…?こいつこんな動きしてたっけ?」「こんなメニュー画面だっけ…?」

オリジナル版に極限まで馴染むように、でも追加要素はモリモリ。初めて遊ぶ人には、初めから完成度の高いゲームだという事になりますが、オリジナル版を遊んでいた人間からすると、「よくもまぁこんな上手いこと新しい要素ぶち込みまくったな!」と、思わざるを得ない出来です。違和感なさすぎて笑えてきます。職人はなにやらしても自分の持つ「味」を知っているということなんですかね。

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休憩ポイントに登場する料理人プーカ「モーリィ」によって、料理システムがかなり身近になりましたが、こいつ馴染んでるくせに存在自体が新要素。オリジナル版には居ませんでした。笑えてくる。

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鍵付きのドアと、それを開けるための鍵アイテムが新登場。しれっと入り込んでますが、これも新要素。笑える。

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集めたフォゾンとレベルアップポイントで、扱えるスキルを増やしていくアビリティシステム。これ、システム自体がすべて新要素。笑えるほど新要素感が無い。

実はしれっと音楽も新しいものが増えてるんですが、普通に遊んでると新曲だとは気づかない。笑 さりげなく、それでいてゲーム体験をお膳立てするゲーム音楽としては、いちばん理想的な追加の仕方ですね。サントラも欲しくなっちゃいますわ。

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ちなみに、クラシックモードと呼ばれる「オリジナル版そのままのモード」があるんですが、そっちを遊んでみると、もはや全然違うゲームなんですよ。笑

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そのモード内の設定で、色々な要素を調整できるコンフィグがあるんですが、その細かいチューニング具合にびっくり…

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おなじ「テキストアーカイブ」でもこんなに違います。初めからあったかのようにしれっとクオリティアップ。

ヴァニラウェアの集大成的ゲームになっているぞ!

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この戦艦もしれっと新ボス

ヴァニラウェアは今回のリマスターに、オーディンスフィア以後に発売された「朧村正」と「ドラゴンズクラウン」で得た知見をふんだんに盛り込んでますね。アクションの爽快感なんてまんま朧村正のそれだし、システム面の快適さやスキルツリーなんてまんまドラゴンズクラウンです。もっとも、これは今回のリマスターに限った話じゃなくて、グリムグリモアの頃から一貫してヴァニラウェアが得意とする「見た目以外は全部前作の改良版」的なゲームづくりの手法のたまものです。

今回はそれが、リマスターという事になってユーザーがもっていた不満点が予めわかっていたからでしょうか、凄まじい完成度のゲームと相成っております。はい。

昔のゲームを再び遊ぶということ

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昔遊んだゲームを、時を経てもう一度遊ぶというのは、格別の面白さがありますね。思い出補正とのギャップがあったり、難しいと思っていた箇所が簡単にクリア出来たり、当時とプレイスタイルが変わってたりする。ゲームの内容は変わってないのに、自分自身が変わったことで違ったゲーム体験が生まれる。

レイヴスラシルはすごいです。見た目の雰囲気はオリジナルそのままだから懐かしみながら遊べるのに、システム面がほぼ新作なので、遊んでてオリジナルより楽しい。思い出が上書きされる感じ。こんなリマスター今まであったことありますかね。なんて呼べばいいのか迷いますが、公式がなんとも良い得ている言い方をしてましたね。

リ・クリエイト

ピッタリじゃないですか公式さん。リ・クリエイト良いですね。

オーディンスフィア レイヴスラシル。オリジナルのファンも、新期のプレイヤーも両方満足させられる逸品になってると思います。このゲームは間違いなく買いですよ、みなさん。

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この記事を書いた人

asuyakono

コウノ アスヤ

1992年生まれ、岡山県出身。武蔵野美術大学デザイン情報学科を卒業した後、都内でデザイナーとして活動中。小さい頃からゲーム好きで、四六時中ゲームのことを考えている。

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